注目されるポストW体制こうしたなかで、早くもW社長後の経営陣に関心が移っている。
創業者直系のT田章一郎の長男である章男が副社長職に就き、社長に次ぐポストを占めたからである。
T田章男は、1956年5月3日生まれ。
スポーツなら何でも好きだが、学生時代はグランドホッケーに熱中した。
1979年に慶応大学法学部法律学科を卒業すると米国に留学し、投資銀行のA・G・ベッカーに勤めた。
1984年帰国してT社自動車に入社し、国内営業部や米GMとの合弁会社「NUMMI」副社長などを経て、入社から16年目の2000年に取締役に就任した。
国内営業部時代にはカローラ店の業務改革などを押し進め、取締役就任後はGaZOO事業部長としてインターネット販売など新事業に取り組んだから、外国メディアもT田家のホープとして取り上げるようになった。
取締役となってからは出世街道を駆け常務でアジア本部長、2003年専務でアジア・中国を担当、2005年に副社長となり、ゼネラ格取締役となってからは出世街道を駆けあがり、2002年寸務でアジア・中国を担当、二リストとして幅広い所管を持つことになった。
取締役に就任早々には「まだヒョコだ」と言っていたOも、2004年に広州汽車との提携にこぎ付けたころには「よくやっている」と語るようになった。
中国事業への取り組みや、T社が2004年から始めた、タイ、南アフリカ、アルゼンチンなどを拠点に現地で開発から生産までを完結させる旗振り役として英語を駆使しアジアなど新興地域でシェア拡大をねらう意欲的な取り組み姿勢を評価したものだろう。
「T田家」は、T社の一貫性を象徴する存在であり、世界最大の販売台数を持つ自動車メーカーの地位をうかがうまでに成長したT社の大組織をまとめるのに、その存在は大きい。
T社自動車は、「人間尊重」を掲げ、人間の情も考慮に入れる日本的企業の美徳を伝統にしている。
しかし、「資本の論理」を貫くことが激しい国際競争を乗り切るには必要なことも心得ている。
章男が、Wの後任社長になれるかどうかは、副社長職をどうこなすかにかかっている。
3激変する環境と試練のT社流時代の変わり目に立つ「旧世代は残念ながら死んでいき、新人類が社会を担うことを旧世代は想定して考えを決めていく必要がある」T社自動車会長で日本経団連会長のO碩は、ライブドアとフジテレビJのニッポン放送株争奪戦がピークを迎えた2005年3月7日の経団連記者クラブとの定例会見でこう発言した。
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